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1/32 九州飛行機 J7W1 帝国海軍局地戦闘機 震電 - 造形村 [もけーのことなど]

造形村のSUPER WING SERIES No.1
1/32 震電です。

アフターパーツとして「震電改」用のジェットエンジンなんかも用意されています。

震電は「エンテ型」(串型)とよばれる主翼の配置(機首にカナード翼があり機体尾部に主翼がある)にばかり注目されていますが、実はもっといろいろスゴイのです。

飛行機の部品で一番重いのは、もちろんエンジンです。
そして飛行機の部品で一番頑丈なのは主翼です。(なんといっても飛行中の全重量を支えているのですから)

そこで、震電はその一番頑丈な主翼の上に一番重いエンジンを載せてしまったのです。
理に適ってるでしょ?
操縦席から後ろがエンジンなのですが、その部分の構造材をエンジンが兼ねています。
ほら、F1でやってる、アレです。

エンジンと操縦席の間にはファイアーウォール(防火壁)。
操縦席はバスタブ型になっていて、これが機体中央部分の構造材です。
この時代の飛行機は、肋材(骨組)を作って、ソコに外板をリベット留めして外形を作り、肋材に儀装品を取り付けて、操縦席を作っていました。
震電はこの時点で、後のジェット時代の「モンコック構造」になっていたのです。
バスタブ型の操縦席の外側に儀装品をとりつけ、その上から外板をビス留めする。

操縦席の前には30mm機関砲4門が装備されます。
この機関砲の巨大な反動を受け止めるため、この部分はブリッジ状の内部構造を持ちます。
ごつい内部構造に外板をビス留め。
この部分もモノコック構造なのです。

ハナシが長くなりました。
このキットは上記の「内部構造」を余すことなく表現するためのものとなっています。

そうそう、キットではエンジンからプロペラに至る延長軸は、外部のみですがこの部分も工夫があります。
延長軸というと「雷電」では振動問題にさんざん悩まされました。
延長軸の剛性の問題でプロペラ部分では重心がすこしずれただけで振動が発生する。
でも、震電の試験飛行では振動問題が発生しなかった。
震電の延長軸は雷電のそれよりも遥かに長いのに。

震電の延長軸は一体ではなかったのです。
延長軸覆いのある部分が1パーツで両端をベアリングで支える。
エンジンのクランクシャフトとこの延長軸をフランジ(継手)で繋ぐ。
反対側もフランジでプロペラに繋ぐ。
重心のずれがあってもフランジの「遊び」が吸収してくれる。
そういったつくりだったのです。

こんな大戦末期の追い詰められた状況で、このような素晴らしいアイデアに富んだ設計を行った技術者達をほめてあげたい。
そう、思えるのです。

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