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1/48 試製烈風 FineMolds [もけーのことなど]


1/48 試製 烈風

1/48 試製 烈風

  • 出版社/メーカー: ファインモールド
  • メディア: おもちゃ&ホビー



十七試艦戦。

そもそもムチャな要求仕様だった。
これが英国だったら「駄っ作機」で済んだだろうけど。

ムリな低翼面加重。
ムチャな旋回性能。

時代の趨勢に噛み合わない要求。
ジェットに移行する中、エンジンの高出力化にあわせて、空戦はズーム&ダイブ、つまり一撃離脱に移っていた。
誰も、巴戦なんてしないのだ。
一二試こと零戦の成功体験に惑わされて、巴戦を追求した結果、戦況にそぐわないシロモノを生み出した。

それでも、ミツビシの設計陣はがんばった。
良好な操縦性と旋回性能。
機体の大型化は時代の趨勢だ。
単座戦闘機が艦爆なにもサイズになるのはいたしかたない。

しかし、機体設計はともかく、この試作機は迷走した。
そう、ナカジマのMK9N、ハ54、誉、だ。
空冷複列18気筒の「夢の2000馬力エンジン」
1000馬力級エンジンと同等サイズで2000馬力。
軍は狂喜した。

ジッサイには、ただのゴミだ。
ムチャな設計のせいで定格出力がだせない。
出力制限がかけられて、実用出力は1300馬力程度だった。

烈風は2000馬力を前提に設計されているのだ。
1300馬力のエンジンでは性能を全うできない。

しかしねぇ。
私ぁ、零戦と烈風の間にミツビシ金星II、1500馬力装備を前提とした機体の計画があっても良かったんじゃあないかと思ってるです。
実際、陸軍は5式戦を送りだしているわけですし。
海軍は零戦54型で凌ごうとしたわけですが、新型を用意しても良かったんじゃないかな。
大戦末期のおいて、日本で最も信頼の置ける航空機エンジンが、ミツビシ金星II、陸軍ではハ-112-IIと呼ばれたエンジンだったのです。
もともと、金星はミツビシが最初に独自設定した航空機エンジンで、まあ、イロイロ至らないトコロがあって。
それを全面的に設計しなおしたのが金星IIです。
当時の日本の工業力で生産できて。
将来的な機能向上の余力があって。
整備性ごよくて。
使えるエンジンだったです。
金星IIを使った機体はことごとく成功しています。
誉に目の眩んだ連中は現実を見ることができなかったのですね。

そんな、ダメ飛行機のキットです。
98式射爆照準機、ってあーた、零戦と同じ?
大戦末期なら4式があったはずじゃあ...

まー、実機はおいといて、キットですな。

パーツ数はほどほど。
モールドはいい感じ。
主翼と胴体のパーツ割はこんなもんか。
コクピットまわりのモールドは甘いかんじ。
主計器盤はデカール。
2003年のキットなんで、現在主流の「裏からデカール」ではありません。」

Amazonがこのキットを在庫してるとはびっくり。

とはいえ。
烈風の優美な機体のラインはすてきです。
このキットがそのラインを再現してるといいな。
さー、組み立てようか。

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